ナタ(鉈)って普段お使いになりますか?
都市部にお住まいの方はあまり使う機会は多くないと思いますが、僕は多少なりとも自然豊かなところに住んでいますので、山菜採りやキノコ採り、地域の清掃活動やアウトドアで飯を作るときなどに良く使っております。
普段何気なく使っているなナタですが、怪我をしない使い方がありますので紹介いたします。
右片刃のナタ 右利き用
使用するナタは、一般的な右利き用の右片刃のナタです。
全長37cm、刃渡り約18cm、刃幅4.5cm、刃厚約5.5mm、重さ437g、山仕事で使うには少し小さめのナタですが、藪やブッシュの中で使うにはちょうど良いサイズです。
使用前の準備
ナタを使うときは、安全のため手袋(皮手またはゴムびきの軍手)をはめて使いますが、利き手(ナタを持つ手)は素手にします。
その理由として、手袋をしてナタを思いっきり振り上げるような使い方をしたとき、しっかり握っているつもりでも簡単にスッポ抜けることがあるからです。
素手であれば握っているときの滑り出す感覚が直にわかるので、握る強さや振り上げるときの勢いを調整し易く結果的に安全に使えます。
安全に切るための刃の入れ方
片刃のナタは、切断する対象物に対し刃の入れる方向が決まっています。
右利き用のナタは、幹(枝)に対して右側から刃を入れます。
切るつもりではなく、軽く振り上げて幹に刃を当ててみると画像のように刃が食い込みます。
幹から右斜め上方50cm位のところから振り下ろしただけで、ナタの刃の部分(幅約15mm)が斜めに幹に食い込みました。
上の画像の木を切断した切り口で一応斜めに切れておりますが、切り倒すために三回ナタを振り下ろしています。
右側からナタを入れればこのように斜めに切れます。
幹の左側に刃を当てて振り下ろしてみると、
画像のようになり、刃が幹に弾かれて斜めに食い込ませることが難しく、木の皮を削ぎ落とす感じになります。
こうなってしまうのは、ナタの刃がブレードの右側に斜めに付けられているためです。
幹に弾かれるのが分かっていたので、鈍角気味(幹に対して真横から斬りつけるイメージで)に勢いをつけて強めにナタを振り下ろしてみましが、
このように右片刃のナタで切断する対象物の左側から切ろうとすると、刃を幹に食い込ませることが困難で、何度もナタを振り下ろさなければ切断できません。
右片刃のナタは、切断する対象物の右側から刃を入れるようにしてください。
ナタの振り下ろし方
ナタを使う上で注意しなければならないことは、「怪我をしないように使う!」ということです。
この記事の場合は単独で行動しているので周りにあまり気を使っておりませんが、複数人で行動を共にする場合は、近くに人が居ないか確認して作業します。
慣れない内は切る幹や枝はなるべく身体から離した位置で保持し切断位置を決めたら、ナタを振り下ろしたときのナタの刃が来る位置を想定して、膝や脛を切ってしまわないよう注意しながら作業します。
この場合、ナタを振り切った時の刃の位置が右足の外側に来ることを想定して切ります。
一度の振り上げで一気に切り落としてしまいたくなるのが人情ですが、勢い余って膝や脛を切ってしまっては元も子もないので、無理をせずに数回に分けて振り下ろします。
このように ↑ して、切ろうとする対象物の右側からナタの刃を入れて、一回で切り落とせない場合は数回に分けて振り下ろして切るようにしてください。
複数回ナタを振り下ろして切った切り口はこのようになります。
切った後の切り口をそのままにしておくのは危ないので、ノコギリを使いできるだけ地面に近い位置で切り倒します。
ナタの使い方 注意点
・スッポ抜けるのを防ぐため、素手でナタを握る
・切断対象物を掴む場合、厚めの皮手又はゴム引きの軍手をはめる
・対象物の右側に刃を入れる
・刃の来る位置を常に想定する
片刃のナタは、切ろうとするモノを勢いをつけて叩き切るようにして使うので、スッポ抜けるのを防ぐため握る場合は素手で握ります。
切り倒す対象物を掴む側の手は、できるだけ厚めの皮手又はゴム引きの軍手をはめます。
棘のある植物を掴む場合や、仮に指を切ってしまったような場合でもダメージが少なくなります。
右片刃のナタは、切断する対象物の右側に刃を入れる!
ナタを使う場合、刃の来る位置を常に想定して作業を行うことが一番重要です。これさえ意識して作業をすれば、怪我をすることはまずありません。
小学生のときからナタを使っていますが、一度もナタで怪我をしたことはありません。
それは、祖父や父親から『ナタを振り切った時の刃の来る位置を考えて使え!』と厳しく教えられたからです。
怪我をしないためにもクドいようですが刃の来る位置を常に想定して使うようにしてください。
以上で「ナタの使い方」は終わりですが、左片刃(左利き用)のナタは記事内容を『右・右側を左・左側』として読んで頂ければご理解頂けると思います。
ナタをあまり使ったことのない方の参考にしていただければ幸いです。
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