アウトドアで何かを作って食べるとき、大抵の場合主食になってしまうご飯(おにぎり)を何らかの形で食べています。
例えばファットウッドを採集してみよう!の記事内でも、カップヌードルと一緒におにぎりを食べています。
これは恐怖の T&T(炭水化物&炭水化物)なんですが、カップヌードルだけではどうしても腹持ちが良くないのいで、ほとんどの場合おにぎりを二個~三個追加で食べています。
おにぎりのオカズとしてカップヌードルを食べていると言った方が正解かもしれません。
以前はガス・ガソリンストーブやアルコールバーナーで調理をしていましたが、最近はウッドストーブや焚き火で調理するようになり、焚き火ではやはりステンレスクッカーが良いだろう!と言うことで今回ステンレスクッカーで炊飯をしてみることにしました。
目次
焚き火をするフィールド
ご飯を炊く前に先ずは焚き火をしなければなりません。
今回焚き火をするのは、いつも僕が外で何か作って食う場所(自宅から徒歩30分程の沢)の少し上流です。
ここは標高がだいたい900m程で、この地点での沢幅は広いところでも2m程です。
本当に小さな沢ですが、100%天然のイワナとサワガニが棲んでいます。
右の木は 直径Φ1m程の杉で根元付近の石に木を三本置いただけの簡単なベンチを作ってあり、左側の大きな岩を利用してカマドにします。
焚き付けと薪集め
大きな杉の木のほぼ真下なので、焚き付けの杉っ葉は沢山落ちています。
前日が雨だったので濡れているものが大半ですが、なるべく乾いているものを拾い集めます。
焚き付けその2として細めの小枝を集めますが、これもほとんどが湿っているようです。
薪にする木を探しに100m程上流に移動して風倒木を見つけました。
木の種類は判りませんが、針葉樹ではないようです。
直径Φ18cm,長さL6~7m程のこの木から薪にする部分を切り出します。
切り出したモノは、1m程の長さです。
切り出しを行った風倒木の近くに直径Φ10cm、長さL4m程の細い朽木が有ったのでこれも薪にします。
薪作り
細い方の朽木はノコギリで切るのが面倒だったので、角の立った石に叩きつけ30cm位の長さに折ってしまいます。
その方がノコギリで切るより遥かに早く作業できますね。
短くした朽木はナタで小割りにしますが、作業に夢中になるあまり小割にする写真を撮り忘れてしまったので、石に叩き付ける画像しかありません。すみません。
焚き火開始!
いつものようにファットウッドを少し削り、着火剤として杉っ葉の上に乗せてファイヤースチールで着火し焚き火の開始です。
着火できたのでしばらく燃えるのに任せて熾火ができるまで放置して、その間に調理の準備をします。
調理準備
焚き火で炊飯するのが今回の目的ですが、せっかくなので目玉焼きとオニオンスープも合わせて作ってみます。
先ずはメインの炊飯からです。
今回新たに購入したのは、CAPTAIN STAG の カートリッジクッカーセット820mL です。
お米1合を炊くのには丁度良い容量のステンレスクッカーカーです。2合はちょっと厳しいかもしれません。
このステンレスクッカーに、前日に洗ってから丸一晩吸水させたお米1合を入れてから、沢の水を汲んで約220mL入れます。
お米1合に対する水の量は、ネットの情報によると180~220mLと結構巾があり正確にこうだと言いきれません。
実際に食べるときに芯が残っていると嫌なので、水の量は220mL入れてみます。
このステンレスクッカーにお米1合を入れ、画像のようにハンドルヒンジの下側の溶接跡から約5~6mmまで水を入れると大体220mL入れたことになります。実際に家でテストしてみました。
一応吸水はしてありますが、まだ熾火もできていないので念のため再給水させてみます。
ステンレスクッカーで炊飯!
そうこうしている間に熾火もできたので、ステンレスクッカーで炊飯をしてみます。
同時にお湯も沸かします。手前が炊飯で奥が湯沸かしです。
炊飯しているクッカーの蓋は敢えてひっくり返してあります。重しも乗せていません。
途中で何回か中の状態を確認するので、手っ取り早く蓋を取るためにそうしています。
続いてオニオンスープの準備をします。
玉ねぎを切りバターを引いたフライパンで炒め、それを先に沸かしておいたお湯にコンソメブロックと一緒に投入してしばらく煮込みます。
フライパンをまな板代わりにして使います。
熾火に掛けてから15分程でステンレスクッカーの蓋がカタカタいって吹きこぼれが始まったようなので、一度蓋を取り焦げ付き防止の為全体をグルグルとかき混ぜてから、もう一度吹きこぼれるまで蓋をします。
蓋をして2~3分で再度吹きこぼれたので熾火から外して蓋を正規の向きに戻してから、クッカー一式を包んできた新聞とハンカチで包んでしばらく蒸らします。
目玉焼きとオニオンスープ
炊飯をしていたスペースが空いたので新たに薪を焚べて小さい炎を立てながら、目玉焼きとウインナーを焼くのと同時にオニオンスープを煮込んでいます。
焚き火の良い点は、火床を広げれば同時に複数のクッカーで調理ができることですね。
フライパンが焦げ付かないように目玉焼きの焼け具合を確認しつつ、炎に近づけたり遠ざけたりしながら焼きます。
炎の調整のために薪を焚べたり、熾火を扇いだりしたので、目玉焼きが焼き上がるまでに20分程掛かりましたが、見栄えはそれなりにできたと思います。
本日のメニュー
本日焚き火で作ったメニュー三品です。
アウトドアで単独行動なので盛り付ける容器など必要無く、クッカーから直接食べます。
ステンレスクッカーで炊いたご飯です。炊きあがりの状態はいい感じですが、はたして焦げ付きはあるでしょうか?
オニオンスープはインスタントでも良かったのですが、せっかく焚き火で調理をするので炊飯と同時に作ってみようと思い、コンソメを使った手抜き方法でやってみました。
熾火で調理したので吹きこぼれることも無く上手くできました。
目玉焼きは黄身が弾けずにサニーサイドアップの状態で焼けました。フライパンに焦げ付いていなければ成功ですがどうでしょうか?
ウインナーはおまけです。
いただきます!
早速ステンレスクッカーで炊いたご飯をいただきます。
長時間吸水させてから熾火で炊いたことで弱火でじっくり調理したことになり、漏らす時間(目玉焼きにかかった時間)も結果的に長く取れ、芯も無くベチャついたりせず丁度いい炊き上がりになりました。
クッカーの底にも焦げ付いていないようです。すばらしい!
画像が前後しますが、フライパンにも焦げ付きはありません。
茶色く見えるところは、シーズニングしてあるところで焦げ付きではありません。
食事後のクッカーの状態
全て完食したので、クッカーの内側をサッとティッシュで拭き取りキレイにします。
オニオンスープを少し多めに500mL程作ったので食事の最後に少し残しておいてから、クッカー内側の汚れをオニオンスープで洗い流し、最後にそれを全部飲み干してからティッシュで拭き取りを行いました。
今回全てステンレスクッカーを用いて焚き火で調理しましたが、クッカーの内側に焦げ付きができることは全くありませんでした。
これは嬉しい結果でした。
熾火で調理したクッカーは思ったほど煤汚れは付いておらず、炎を立てて調理したフライパンは明らかに黒く煤で汚れました。
ステンレスクッカーで炊飯 考察
気を使わずに手入れが行える
耐久性が相当ある
焚き火で調理を行なうには、ステンレスクッカーは正に最適ではないかと思います。
ゴーゴーと炎が立つような焚き火の中に投入する使い方をしても熱による歪みや変形が少なく、煤や焦げ付きの汚れも金属タワシで簡単に洗い落とすことができ、傷もさほど気になりません。
熱伝導があまり良くないために焦げ付きやすい
何らかの形で焦げ付き対策が必要
熱伝導の悪さを克服するために今回直火の焚き火で調理してみましたが、五徳を使わずステンレスクッカーを直接熾火の上に置いたことと、沸騰してから全体をグルグルとかき混ぜたことが功を成し、クッカーの底面だけではなく側面からも熾火の熱が伝わりその結果焦げ付き無しの炊飯が可能になったと思います。
もう一つ炊飯時の焦げ付き防止の方法として、吸水時間を長めに取ることも重要な点です。
丸一晩(時間にすると6時間以上)かけて十分に吸水させたので、焦げ付きが発生しなかったと思います。
因みに今回購入したステンレスクッカーを初下しで使うときに、お米1合を1時間吸水させたものをアルコールバーナーを使って炊飯してみました。
バーナーパットも合わせて火加減も細かく調整しながら炊飯してみたのですが、丁度いい柔らさで炊き上げるとどうしてもクッカーの底に焦げ付きができてしまいました。
ちょっと柔らかすぎ?と感じる炊き上げでは焦げ付くことは無いのですが、それは僕の本意ではありません。
かと言って芯が残ってしまう炊き上がりでは意味がありません。
色々試行錯誤した結果、沸騰が始まったら一旦火から下ろして蓋を開けて全体をグルグルとかき混ぜてから、バーナーを弱火(沸騰を維持できるギリギリの弱火)にして再度火にかけて吹きこぼれが少くなるまで待ち、グツグツ煮える音からパチパチ爆ぜる音に変わったら火から下ろして長めに蒸らしせば焦げ付きが少なくて済むことがわかりました。
炊飯するとき「はじめチョロチョロ中パッパ、赤子泣いても蓋取るな」が鉄則だと言われますが、ステンレスクッカーなどの熱伝導の悪いクッカーで炊飯する場合、沸騰したら蓋を外し全体をグルグルとかき混ぜることで焦げ付きを少なくできると思います。
ステンレスクッカーで炊飯する時の参考にして頂ければ幸いです。
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