お家にまだ「アナログレコード」ってありますか?
今では「アナログレコード」などと呼んでいますが、かつては「レコード・LP・シングル」などと呼んでいましたね。
CDが世に出る以前は「アナログレコード」で音楽を聴くことが当たり前でした。
「アナログレコード」をなけなしのお小遣いで買ってきたら、A面・B面と一通り通しで聴いてから、ホコリが付いたり傷が付いてしまうのが嫌だったので「カセットテープ」に録音して、普段は「カセットテープ」をメインに聴いておりました。
友達が来たり、よほど気分が良くてレコード盤の新鮮でキレイな音を聴きたい特別なときだけ、プレーヤーに載せて再生しました。
そのときも、キレイに洗った手でジャケットを触るようにして、取り出すときもレコード盤に直接息が掛からないよう呼吸を止めて、そ~っとターンテーブルに載せて、レコードを聴くための一連の儀式(ホコリを取ったり・静電気防止の措置など)をおこなって、結構緊張してその儀式自体を楽しみながら聴いていたのを覚えています。
というわけで、今回は「アナログレコード」を聴くときの一般的だったレコード盤の扱い方を紹介いたします。
目次
1 「アナログレコード」を聴くための器機
アナログレコードを聴くためには、画像のようにプレーヤーとアンプとスピーカーが接続されていることが必要です。
スピーカーがアンプに接続されていることが前提で話をしていますが、より緻密に音を楽しみたい場合は、ヘッドホンをお使いください。(アンプのヘッドホンジャックにヘッドホンのプラグを接続する)
2 「アナログレコード」を聴くときのケア用品
レコード盤を取り扱うときは、静電気予防のためのスプレー、盤面のホコリを除去するためのクリーナー、針先のクリーニングに使うスタイラスクリーナーが必要になります。
その他に、ターンテーブルのゴムシート上に付いたホコリを吹き飛ばすときに、カメラのクリーニングで使うブロアーもあれば理想的です。
画像内のお品は、一部メーカーのサイトで表示されているものと異なりますが、僕が使っているものは少し古いものでカタログアウトしていますが、後継品が継続販売されています。
3 ターンテーブル上のホコリを吹き飛ばす
カメラ用のブロアーでターンテーブル上のホコリを勢い良く吹き飛ばします。
効率よくホコリを吹き飛ばすには、ターンテーブルをスタートさせて回転させながらブロアーを使えば手早く作業ができます。
ブロアーがない場合は、ホームセンターで手に入るコロコロクリーナーで代用できます。
この場合は、ターンテーブルは停止の状態でコロコロしてください。
4 針先(スタイラス)のクリーニング
針先(スタイラスチップと言うようです)のクリーニングには、専用のスタイラスクリーナーを用いてクリーニングします。
やり方は、スタイラスクリーナーのブラシで針先をそ~っと奥から手前方向になぞるようにして、付着しているホコリやゴミを取り除きます。
このときアンプのボリュームを最小(MIN)にしておきます。
スピーカーにいきなり大きな音が入ってしまうのを予防するためです。
5 「アナログレコード」の取り扱い方
いよいよ本題にはいります。
試聴するレコードを選択します。
因みに試聴するのは、「BON・JOVI」 の日本デビューアルバムです。
ジャケットには、正面から見て右側にレコード盤を挿入するための切れ込みがあるので、そこからレコード盤を落としてしまわないように気をつけて外カバーから取り出します。
ジャケットから内カバーに入ってるレコード盤を取り出します。
内カバーの開口部は上向きの状態でジャケットに入っているので、このときもレコード盤を落としてしまわないように注意しましょう!
内カバーに入っているレコード盤です。
次は一番神経をつかうところです。
まず画像のようにレーベルの部分に親指を当てて、内カバーの開口部から見えているレコード盤の縁に親指以外の四本の指を軽く当てて支えます。
そしてレコード盤を支えながら内カバーの開口部を下に向け、上側の内カバーの縁を摘んでそっと上方に内カバーを滑らせるように引き上げて、
レコード盤を取り出します。
このときレーベルとレコード盤の縁以外には、できるだけ指が接触しないよう注意してください。
間違っても音溝を刻んである盤面を直接掴むようなことはしないでください。
指紋が残ってしまい、そこにカビが発生してしまいます。
6 レコード盤をターンテーブルにセットする
レコード盤の中心のある穴にターンテーブルのスピンドルを通し、ターンテーブルにセットする。
7 盤面のクリーニング
ターンテーブルにレコード盤をセットしたら、スタートボタンを押してターンテーブルを回転させ、音溝を刻んである部分が軽くシットリする程度にスプレーし、
クリーナーを盤面の周方向に軽く押し当てながら拭うようにしてホコリを取り除きます。
盤面のクリーニングが終わったらいよいよ演奏です。
8 「アナログレコード」の演奏
ヘッドシェルの指かけを持ち、針先をレコード盤の演奏スタート地点まで移動させ、
トーンアームのダウンボタンを押して、針をレコード盤に落として演奏開始です!
9 レコード盤の収納
A面・B面と一通り聴き終えたらレコード盤を収納します。
ターンテーブルが停止し、トーンアームが上昇して針先が盤面から離れたら、トーンアームをアームレストに戻し、
画像のようにレコード盤の両端に両手の「中・薬・子指」を添えてターンテーブルから持ち上げ、
レーベル部分に利き手の親指を当てて支えつつ、残り四本の指でレコード盤を保持して
内カバーの開口部の端をつまむ感じで持ち、レコード盤の縁を滑らせながら
ゆっくりと落ち着いて内カバーに収めていきます。
内カバーにレコード盤を収めてしまえば一安心です。
ジャケットに内カバーの開口部を上に向けた状態で入れていきます。
外カバーにジャケットの開口部を右側にした状態で入れます。
最後は、レコードラックに収納します。
画像のように斜めにならない状態で収納してください。
以上でレコード盤の扱い方は終わりです。
10 「アナログレコード」について思うこと
今僕が所有しているアナログレコードは、LP 盤・シングル盤合わせて150~160枚程しかありませんが、CD盤が気軽に購入できるようになる前は、LP盤だけで400枚位上は所有しておりました。
音楽に多感だった10代後半から20代前半は正に洋楽全盛の80年代でしたので、お気に入りのアーティストのアルバムをほぼ毎週、何らかの形(友達から安く譲ってもらったり、中古盤を通販で購入したり)で手に入れておりました。
アナログレコードを再生(演奏)するときには、記事にも書いたような一連の儀式を一つ一つ行うことも楽しみのうちでした。
30cm四方もあるジャケットに写っているアーティストの写真や付録で貰ったポスターを眺めながら、同封されているライナーノーツを読み、そのアーティストのアルバム制作の経緯や録音時のエピソードを想像しながらスピーカーから流れてくる音を大真面目に真剣に聴きました。
深夜にハードな曲を大音量で聞きたいときは、密閉型のヘッドホンをして布団を頭から被って聴いておりました。
大好きなアーティストのお気に入りのアルバムは ↑ のようにして何度も聴いていたので、音溝がすり減り盤面が白っぽくなり聴くに耐えない状態になってしまい、新たに買い直したりもしました。
そこまでしてアナログレコードを聴いていたので「アナログ盤の音」が身体に染み付いてしまいました。
アナログレコードで所有しているアーティストのアルバムがCDになって再発売されたとき、即購入して試聴しましたが、CDの硬質な音質に違和感を感じ凄くガッカリしたのを覚えています。
CDはアナログレコードのように盤面の傷やホコリ・静電気によるノイズは一切ないのですが、鼓膜につき刺さると言うか貫通するような音の硬さが際立ち、聴いていて疲れを感じました。
アナログレコードを聴くとき、一番幸せを実感できるのが ↑ の赤下線で書いたようにして聴いているときなんです。
30年、40年、あるいはそれ以上前のアナログレコードもありますが、
お気に入りのアーティストの演奏や歌声が柔らか~い音でいろんなノイズと共に聴こえてくる!
まさにこれこそが「アナログレコードの一番の魅力」だと思うのです!!
ここに書いたアナログレコードの扱い方は、「何が何でもこうしなければならない!」というようなものではなく、今から三十数年前にごくごく普通に当たり前に行われていた方法です。
アナログレコードというモノを触ったことが無い方に、なんらかの参考にして頂ければ幸いです。
ハードオフでジャンクプレーヤーとレコードを買ったのですが、ちょうど困っていたところでした。
わかりやすい解説ありがとうございました。
コメントいただきありがとうございます。
おやくにたてて何よりです。
レコードの世界は奥深く楽しいものです。
同アーティスト同タイトルのレコードでも、マトリックス(プレスしたときの記号・番号)が異なれば音質も変わってきます。
そのへんを色々と聴き比べるのも面白いですよ!